紙もの案件、どうしてる?経験者3名に聞く、印刷物制作のリアル

紙もの案件、どうしてる?経験者3名に聞く、印刷物制作のリアル

「名刺やチラシの相談が来ても、自分にできるか不安」

「作ったことはあるけれど、このやり方で合っているのかな?」

Webとは異なる知識も必要な紙もの制作。興味はあっても、少しハードルを感じている方もいるのではないでしょうか。

私自身、紙ものを案件として受けた経験はありません。ちょうど自分の名刺を印刷したところで、大まかな流れはつかめたものの、「まだまだ分からないことが多いな」と感じていました。

そんな中で参加したのが、ノンデザコミュニティのイベント「Webだけじゃない、印刷物の世界」です。

経験者3名のリアルなお話を聞いて、漠然とした不安が「名刺やチラシからなら挑戦できそう」に変わる時間になりました✨


「実務ではどうしてる?」を聞ける座談会

開催概要

📅 9月18日(金)13:00〜(最大120分)

📍 オンライン(Zoom)

🎤 ゲスト:ゆうさん・はるかさん・もよこさん

🌿 進行:こずえさん(@ico_works)

今回のイベントは、紙もの制作に手探りで取り組んでいる方や、これから相談に応えられるようになりたい方に向けて開催されました。

目指したのは、企業や個人事業主からの名刺・チラシの相談に対して、「ここを押さえればできそう」と感じられるようになること。

一つの正解を教わる講座ではなく、ゲストそれぞれの経験や工夫を語り合う座談会形式です。案件の入り口からツール選び、入稿、見積もりまで、普段なかなか聞けない実務のお話が続きました。


経験の異なる3名が、紙もの制作のリアルを共有!

今回お話ししてくださったのは、Webだけではなく紙ものの制作実績もあるこちらの3名です。

ゆうさん(@a_mamamochi)

Webサイト・名刺・資料など、幅広く制作。DTP(パソコンで印刷物のレイアウトや印刷用データを作ること)オペレーターとして働いた経験もあり、紙ものではチラシをはじめ、これまでに10件ほどの制作実績があります。

はるかさん(@haruka_graphic)

ディレクター・デザイナー、講師としても活躍中。紙ものではフリーランスとして10件ほどの制作実績があります。自身のバンド活動でも、印刷物を制作してきたそうです。

もよこさん(@littledesign455)

Webサイト、紙ものを数多く手がけるデザイナー。印刷会社で2年間勤務経験があり、紙ものではフリーランスになってから50件以上の制作実績があります。

経歴も制作経験も異なる3名だからこそ、同じ質問でも答えが違う場面があり、それぞれの考え方を聞けたのが印象的でした。


紙もの案件は、身近なつながりやWeb制作から

最初の質問は、紙ものの依頼がどのように来るのかという内容です。

・オフラインのつながりや紹介から、ポスターやチラシなどを単体で依頼される(はるかさん)

・Web制作を入り口に、紙ものの相談へ広がるケースが多い(もよこさん)

・普段からディレクターさんに「紙ものも対応できます」と伝えており、必要なときに思い出してもらうきっかけになった(ゆうさん)

Web制作で関わっているお客様にも、名刺やチラシが必要になる場面はあります。対応できることが増えると、相談に応えられる幅も広がりそうです。

最初に挑戦するなら?

名刺・チラシ・リーフレットなど、最初ならどのような案件が受けやすいかという質問には、ゲストの意見が分かれました。

・名刺。万が一ミスがあっても、金額面などで比較的リカバリーしやすい(もよこさん)

・チラシ。名刺は小さな面積の中で差別化する難しさがあると感じている(ゆうさん)

最初に受けやすい制作物も、何を難しいと感じるかによって変わる。おすすめだけでなく、その理由まで聞けるのが座談会ならではでした。

“紙ものならではの難しさ”とは?

・決められたサイズの中でデザインすることや、紙ならではの構図の違い、印刷に合わせたデータ作りの制約(はるかさん)

・画面上で見た色と、実際に印刷したときの色の見え方の違い(もよこさん)

質疑応答でも、モニター上と実際の印刷物の色の違いについての質問が。実際の色見本で確かめる方法や、コンビニでプリントして確認する工夫が紹介されました。

紙ならではの制約や仕上がりの違い、その対策についても、制作前に知っておきたいポイントですね☝️


イラレだけじゃない? お客様の使い方に合わせたツール選び

紙もの制作と聞くと、Illustratorを使うイメージがありますが、みなさん、場合によっては他のツールも活用されているようです。

実際の案件では、セミナーの日付をお客様自身で後から変更できるように、Canvaで制作したこともあったようです。

「納品した後、誰がどのように使うのか」まで考えてツールを選ぶ視点が参考になります。

また、ゆうさんからほかのゲストに対して、制作フローを質問する場面も。FigmaからIllustratorなど、ツールをまたぐときの工夫が共有されました。

ツールの種類だけで判断するのではなく、お客様の使い方と、依頼する印刷会社の入稿条件を踏まえて考えることが大切ですね。


入稿の落とし穴。紙の厚みや手触りにも

入稿の話では、塗り足し・文字のアウトライン化・画像の解像度など、ミスが起きやすいポイントが挙がりました。

※塗り足し:裁断時にずれても白い縁が出ないよう、背景や写真を仕上がりサイズの外側まで延ばす部分。

※文字のアウトライン化:別の環境でも文字の形が変わらないよう、文字を図形に変換すること。

そして、特に印象に残ったのが、紙そのものにまつわる経験談です。

・二つ折りのブランドカードで、紙の厚みが原因となり、何度も折ると割れてしまった(ゆうさん)

・企業のパンフレットで「標準」の紙を選んだものの、お客様のイメージより薄く、刷り直しになってしまった(はるかさん)

画面上では確認できない厚みや手触りは、言葉だけですり合わせるのが難しい部分です。制作者とお客様の両方がサンプルを手に取って確認する大切さが伝わってきました。

入稿のルールは、印刷会社ごとに確認を

PDFでの入稿を推奨している会社や、RGBデータを受け付けている会社もあるなど、対応できるデータは印刷会社によって異なるそうです。

座談会では、色についてCMYKで作るほうが安心という経験談も出ましたが、まず確認したいのは、利用する印刷会社のテンプレートや入稿ガイド。

※RGB:赤・緑・青の光で色を表す方式。主にモニターなどの画面表示で使われます。

※CMYK:シアン・マゼンタ・イエロー・黒のインクで色を表す方式。主にカラー印刷で使われます。

質疑応答では、トンボ(裁断位置などを示す目印)の有無について質問がありました。必須かどうかは印刷会社によるため、印刷会社のテンプレートをベースに作るのがお勧めとのことでした。

また、入稿前にAIへチェックを依頼するという活用例も。こうした補助的な確認方法とあわせて、印刷会社の条件に沿ってデータを整えることが大切だと感じました。


印刷会社と見積もり、みなさんはどう決めてる?

印刷会社選びでは、「お客様が普段使っている会社に合わせる」という声が共通していました。

・お気に入りの3〜4社を使い分け(ゆうさん)

・サンプルや試し刷りができるかどうかも確認して選択(もよこさん)

次に見積もりです。未経験だと悩むのが、「どれくらい時間がかかるか分からない中で、どう見積もるか」ということ。

・最初は1万円で受け、その後は実際にかかった時間を記録して価格を調整(ゆうさん)

・ベースの金額に、今回特別に時間がかかりそうな分を上乗せ(もよこさん)

・最初にココナラで価格帯を調べ、ご自身の経験から工数を踏まえて調整(はるかさん)

もちろん、これらはそれぞれの経験談で、すべての案件に当てはまる相場ではありません。ただ、実際の作業時間を把握し、次の見積もりへ反映する考え方は、これから取り組む際にも参考になりそうです。


これから紙もの制作を始めたい方へ

これから紙もの案件を受けてみたい方へのアドバイスでは、印刷会社の入稿シミュレーションやデータチェック機能が心強い、という声がありました。

最初の制作物としては、折り加工のない1枚ものや、Canvaで対応できるもの。また、まずは自分の制作物から試してみるという提案もありました。

私自身、紙もの案件には漠然とした不安がありました。でも、経験者のみなさんが普段どのように確認し、対応しているのかを聞いて、取り組むときのイメージが持てるようになりました。

「チラシや名刺からなら、私も挑戦できそう」

そう感じられたことが、今回参加して一番大きかったです。


参加者の声

参加したみなさんからも感想をいただいています。

「紙ならではの気づかいが必要ということ。「紙」の選択にまつわる問題もあり、経験して初めてわかることもあるけど、できるだけ予測して対応せねばと思いました。」

「印刷物について、なんとなくでやっている部分もあったので、とても学びになりました!!ありがとうございました!」

今回の座談会を通じて、今後の制作をより良いものにするためのヒントが得られたようです。


同じ目線で質問できる、コミュニティの学びの場

今回の座談会は終始和やかな雰囲気で進み、まるでその場にいるかのような感覚で参加することができました。

進行のこずえさんが、未経験者ならではの視点で質問してくださったため、まだ経験がない方でも、内容を自分ごととして捉えやすかったのではないでしょうか。

チャットから質問できたことも、ありがたい機会でした。普段、印刷物について気軽に聞ける場はなかなかありません。だからこそ、経験者の工夫だけでなく、失敗したことや迷っていることまで聞けたのが参考になりました。

ノンデザには、「誰かが学んだことを共有し、それをみんなで試してみる」文化があります。

誰かの学びや経験が、別の誰かの新しい挑戦につながっていく。そんな環境も、ノンデザの魅力の一つだと感じます🌿

過去にも、AIを使って実際にLPを制作するハッカソンや、業務管理の工夫を共有するイベントが開催されています。こちらの記事もぜひご覧ください⬇️

AIを学ぶより、まず作ってみる。LP制作ハッカソン参加レポート

タスク管理、なんとなくになってない?フリーランスの業務ノートを実物公開!


今回のイベントアーカイブは、ノンデザコミュニティ会員限定で視聴できます。参加できなかった方もぜひチェックしてみてください✅

「まずは小さなものから作ってみようかな」

そんな一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

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